「食事管理も運動も頑張っているのに、順調に落ちていた体重がある日を境にピタッと動かなくなった…」なんて経験はありませんか? 真剣に取り組んでいるからこそ、結果が見えないと焦りや不安を感じ、モチベーションも下がりがちですよね。

しかし、安心してください。それはダイエットが順調に進んでいる人にこそ訪れる「停滞期」と呼ばれるサインで、ダイエットがうまくいっていない訳ではありません。この記事では、ダイエット中に停滞期が起こるメカニズムから、それを乗り越えるための具体的な対策までをプロがわかりやすく解説します。停滞期の壁を乗り越え、一緒に理想の体を手に入れましょう!

なぜ停滞期は起こるのか?

食事管理や運動を頑張って順調に体重が落ちていたにも関わらず、突然体重が落ちなくなる「停滞期」はそもそもなぜ起こるのでしょうか。それには、私たちの体が持つ素晴らしい機能が関係しています。

体の防衛本能「ホメオスタシス(恒常性)」

私たちの体には、環境が変化しても体の状態を一定に保とうとする「ホメオスタシス(恒常性)」という機能が備わっています。ダイエットによって食事からのエネルギー(カロリー)が減ると、体は一種の「飢餓状態」だと認識します。すると、このホメオスタシスが働いて「これ以上体重を減らしては危険だ!」と判断し、エネルギー消費を抑える省エネモードに入るのです。これにより、食事量を減らしても体重が減りにくい状態になります。これは体が生命を守ろうとしている正常な反応であり、あなたが健康である証拠とも言えます。

筋肉量の減少による基礎代謝の低下

「とにかく食べない」といった極端な食事制限だけで痩せようとすると、脂肪だけでなく筋肉まで分解されてしまいます。筋肉は、私たちがじっとしていてもエネルギーを消費する「基礎代謝」の大部分を担っています。そのため筋肉が減ってしまうと、当然ながら基礎代謝も低下します。結果として、以前と同じ食事量でもカロリーを消費しにくい「痩せにくい体」になってしまい、停滞期を招いてしまうのです

無意識のカロリーオーバーと活動量の低下

ダイエット生活に慣れてくると、「これくらいなら大丈夫」という油断から無意識のうちに食べる量が増えたり、カロリー計算が甘くなったりすることがあります。また、体重が減ると、体を動かすために必要なエネルギーも以前より少なくて済みます。例えば、60kgの人が歩くのと55kgの人が歩くのとでは、消費カロリーは前者の方が大きくなります。このような消費エネルギーの変化に摂取エネルギーの調整が追いつかず、停滞に繋がるケースも少なくありません

停滞期はいつ起こる? 期間の目安は?

停滞期が訪れるタイミングには個人差があるものの、多くの場合は体重の5%程度が減ったタイミングで停滞期に入ると言われています。たとえば、60kgの人であれば約3kg減った頃に訪れやすいといった具合です。順調に体重が落ちていた頃と同じ生活をしていても1週間以上体重が落ちない、体脂肪率が落ちないといった場合には停滞期に入っていると考えてよいでしょう

停滞期の平均的な期間は2〜4週間です。ただし、生活習慣やダイエット方法によっては、1週間で終わる人もいれば、2ヶ月以上続く人もいます。ただし停滞期は、あくまでもダイエットがうまくいっている証です。ダイエットの初期段階が終わり、停滞期を抜けた先には次のステージがあると考え、すぐに効果が出なくても焦らず無理のないダイエットを続けることが大切です

また、停滞期は繰り返し起こります。体の状態を一定に保とうとする「ホメオスタシス」が機能するため、たとえ一度停滞期を抜けたとしても脳が再び飢餓状態と勘違いすると、また停滞期がやってきます。このことをきちんと認識したうえで、焦らず前向きにダイエットに取り組みましょう。

停滞期を乗り越えるための5つの対策

停滞期があるのは仕方がないものと思っても、一刻も早く抜け出したいですよね。そこで停滞期をスムーズに抜け出すために、今日から実践できる5つの具体的な方法を紹介します。

食事の見直し

まずは摂取カロリーを再確認してみましょう。体重が減ると運動による消費エネルギーも減るため、摂取カロリーと消費カロリーの調整を見直す必要があります。思うように体重が減らない場合は、スマートフォンのアプリなどを活用して食べたものを記録し摂取カロリーを見直してみましょう。

また、PFCバランスの確認も大切です。 偏った食事は腸内環境の悪化につながり、痩せにくい体質になってしまいます。とくに筋肉の材料となるタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)が不足していないかチェックしましょう。

「チートデイ」を設ける

計画的に「たくさん食べる日」を作ることで、省エネモードになった体に刺激を与え、代謝を再び活性化させる方法です。とくに炭水化物の摂取量を一時的に増やして糖質をある程度摂取することで、体が「飢餓状態ではない」と判断し、ホメオスタシスの働きを弱めることが期待されます。ただしやり方を間違えると逆効果になる可能性もあるので、専門家に相談するか、自己管理ができる人向けです。

トレーニングの見直し

体は賢いため、いつも同じ運動ばかりしているとその刺激に慣れてしまいます。体に新しい刺激を与え、筋肉や代謝を活性化させることが大切です。筋トレの場合は、負荷や回数を変えたり、セットの間の休憩を短くしたり、普段やらないトレーニングに挑戦して異なる筋肉に刺激を入れるのが効果的です。また、HIIT(高強度インターバルトレーニング)など有酸素運動を取り入れることで、短時間で効率よくカロリーを消費することができます。

NEAT(非運動性熱産生)を増やす

NEATとは、運動以外の日常生活で消費されるエネルギーのことです。エスカレーターではなく階段を使う、一駅手前で降りて歩く、デスクワークの合間に立ち上がってストレッチをするなど、生活の中でより消費エネルギーを増やせるシーンはないか見直してみましょう。「塵も積もれば山となる」で、意識的に日々の活動量を増やすことが大切です。

睡眠とストレスを管理する

意外と見落とされがちなのが、睡眠とストレスの影響です。睡眠不足やストレスはホルモンバランスを乱し、脂肪が燃えにくい状態を引き起こします。質の良い睡眠を1日7〜8時間確保することを心がけましょう。瞑想や深呼吸、軽い趣味でリラックスできる時間を持つなど、メンタルをケアすることも停滞期脱出には欠かせません。

▶睡眠不足はダイエットの敵!痩せるために本当に大切な睡眠の質とは?

焦りは禁物!

停滞期を抜け出すまでの期間は、短い人で2週間、長い人では1ヶ月以上かかることもあり個人差が大きいのが実情です。大切なのは、「すぐに結果が出ない」と焦って、さらに極端な食事制限などに走らないこと。体はゆっくりと変化に対応していきます。ここで紹介した対策を最低でも2週間は継続するつもりで、じっくりと自分の体と向き合ってみてください。「気づいたら、また体重が動き出していた」というケースがほとんどです。

どうしても抜けない場合、思い切って1〜2週間、ダイエットを「お休み」するのも有効な戦略です。摂取カロリーを体重が維持できるレベルまで少し戻し、心と体をリセットしてください。

私たちにお任せください!

今回はダイエットの停滞期が起こる原因や抜け出すための対策についてお話ししましたが、「今の自分に最適な対策はどれ?」「トレーニングのやり方はこれで合ってる?」「一人だと、どうしてもモチベーションが続かない…」と感じた方もいるのではないでしょうか。

自己流での停滞期脱出が難しいのは、まさにこの「客観的な分析」と「正しい実践」が困難だからです。そんな時こそ、私たちパーソナルトレーナーの出番です。

タイガージムでは、専門のトレーナーがあなたの食事記録やトレーニング内容を細かく分析し、停滞期の原因を的確に突き止めます。そして、現在のあなたの体の状態に合わせて、停滞期を打破するためのあなただけの最適なトレーニングメニューや食事プランを提案します。何より、一番つらい時期に「大丈夫、一緒に乗り越えましょう」と頑張れるパートナーがいることは、あなたにとって何より代えがたい力になるはずです。

体験トレーニングなども随時行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください!


この記事を監修したのは…

田中和寿さん 画像

田中和寿さん
ッカー Jリーグ 「横浜マリノス」に30年間在籍。アスリートの育成やトレーニングに携わる。マリノス退団後は、プロゴルファーを中心にツアー帯同やパーソナルサポートをしながら、順天堂大学・小林弘幸教授の自律神経や呼吸に関する研究グループに在籍。視覚刺激における運動機能改善などの研究を行う。鍼灸按摩マッサージ指圧師や柔道整復師、アスリートヨガ、ピラティスインスティテュートなど数々の国家資格や認定資格を保有。現在はタイガージムのトレーニングの監修を行っている。