プロテインは、筋肉を作るために必要なタンパク質を豊富に含む栄養補助食品です。筋トレなどの効果を高めるのに役立ちますが、その効果を最大限発揮するにはいつ摂取するのが理想的なのでしょう。この記事ではプロテインの種類や特徴について解説するとともに、摂取におすすめのタイミングを目的別に紹介します。
プロテインとは?
プロテイン(Protein)は英語でタンパク質を意味する言葉ですが、日本においてはおもにタンパク質を含むサプリメントのことを指します。タンパク質は筋肉や血液、髪の毛や爪などさまざまな組織や細胞を構成する成分で、人体にとって非常に重要な栄養素です。たんぱく質は肉や魚、乳製品、大豆製品などの食材から摂取できる栄養素ですが、食生活の偏り等によって不足する場合もあります。これを補うために人気の栄養補助食品が「プロテイン」なのです。筋トレなどを行う際はタンパク質を十分に摂取することで筋肉の超回復が促され、理想的なカラダづくりやパフォーマンスの向上に役立つとされています。そのためトレーニングをする際にプロテインを摂取する人が多いのです。
プロテインの種類と特徴
プロテインにはいくつかの種類があり、摂取したときの吸収の様子に違いがあります。ここでは、市販されている代表的なプロテイン(3種類)とそれぞれの特徴について紹介します。
ホエイプロテイン
牛乳から得られる動物性タンパク質で、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を製造する過程で副産物として発生する乳清(ホエイ)を原料としたプロテイン。ホエイは乳製品の生産過程で出る上澄み液または液体部分で、高い栄養価を持っています。吸収性が高いのが特徴で、トレーニングを行う際など速やかにタンパク質を補給したいときにおすすめのプロテインです。
カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく牛乳に由来する動物性タンパク質のプロテイン。ホエイプロテインがヨーグルトやチーズを製造したときにできる上澄みに由来するのに対し、カゼインプロテインは固形分の中に含まれているタンパク質です。不溶性で、ホエイプロテインに比べると吸収速度が緩やかなのが特徴です。
ソイプロテイン
大豆に由来する植物性タンパク質のプロテイン。高タンパクでカルシウムなどのミネラルも豊富なソイプロテインは、健康を目的として利用されることが多いです。水に溶けにくく消化吸収も比較的遅いので、即効性を求めるときには向いていません。ただし腹持ちが良いので、ダイエット中に持続的にタンパク質を補給したいという人におすすめです。
プロテインを摂取するおすすめのタイミング
プロテインの種類やそれぞれの特徴について理解したところで、その効果を最大化するためにはいつプロテインを摂取すればいいのかお話します。私がおすすめする摂取のタイミングは4つです。それぞれのタイミングに適したプロテインもあわせて紹介します。
起床後、または朝食時
まず一つは、起床後や朝食時。起床直後は体内でアミノ酸が枯渇した状態です。起床後にプロテインを飲んで補給することで、筋肥大を継続させることができます。またダイエット目的でトレーニングをしているときは、朝食をプロテインに置き換えるのもおすすめです。腹持ちの良いカゼインプロテインやソイプロテインを朝食代わりに摂取すれば、カロリーをコントロールしながらタンパク質をしっかりと摂取できます。
トレーニングの30分~60分前
筋トレの効果を最も高めるためには「トレーニング後」にプロテインを摂取するのがおすすめです。ただし、トレーニングを行う30分~60分前に摂取するのも効果的です。トレーニング後にプロテインを飲む場合は消化吸収するまでに時間がかかるため、トレーニングの内容によっては筋肉が合成するタイミングを逃してしまう可能性もあります。トレーニング前に吸収の早いホエイプロテインを摂取しておけばその心配はありません。
トレーニングの直後
トレーニングをした後は30分~2時間くらいの間は、体の中で筋肉を増やす働きが強まります。とくに高負荷のトレーニングをしたときには長時間にわたって筋肉が合成されるので、このタイミングでプロテインを摂取することで筋肉を作るスピードを向上させることができます。消化吸収が早いホエイプロテインを飲むのがおすすめです。
就寝の30~60分前
質の良い睡眠をとった場合、筋肉の回復や代謝が活発に行われます。就寝前にプロテインを摂取してタンパク質を補給しておくと、筋肥大を起こしやすいだけでなく就寝中の心身の回復が促進され体調管理もしやすくなります。消化吸収が穏やかなソイプロテインを就寝前の30分~60分を目安に摂取しましょう。
まとめ
筋トレの効果を高めることが目的の場合は、トレーニングの直後にプロテインを摂取するのが最も効果的です。しかしダイエットや体力回復を目的とした場合は、起床後や就寝前に摂取するのもおすすめです。プロテインは種類によって吸収の良さや腹持ちが異なるので、目的に合わせて使い分けることで効果的なカラダづくりができるでしょう。ぜひ参考にしてください。
この記事を監修したのは…
田中和寿さん
サッカー Jリーグ 「横浜マリノス」に30年間在籍。アスリートの育成やトレーニングに携わる。マリノス退団後は、プロゴルファーを中心にツアー帯同やパーソナルサポートをしながら、順天堂大学・小林弘幸教授の自律神経や呼吸に関する研究グループに在籍。視覚刺激における運動機能改善などの研究を行う。鍼灸按摩マッサージ指圧師や柔道整復師、アスリートヨガ、ピラティスインスティテュートなど数々の国家資格や認定資格を保有。現在はタイガージムのトレーニングの監修を行っている。